会長挨拶

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 このたび公益社団法人中部日本書道会の名誉会長に推戴いただきました神田真秋でございます。総会・祝賀会の開催にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

 新型コロナの影響で二年間開催を見合わせていたこの総会・祝賀会ですが、こうして三年ぶりに以前と変わらぬ活気のもとに開催できますことを、関係者一同心から喜んでいる次第であります。やはり直接顔を合わせて交流ができる対面の総会は本当にいいものです。まずもって、本開催ができましたことを皆様とともに喜びを分かち合いたいと存じます。

 ご来賓の皆さまには、公私ともにご多忙の中をご臨席いただきましたことに、深く感謝申し上げます。平素中日書道会にお寄せいただいているご理解とご協力に対しても、重ねて御礼を申し上げます。

 また、数々のご受章の栄に浴されました皆様にも、あらためてお祝い申し上げます。言うまでもなく皆様のご栄誉は日頃のご精進とご努力によるものであり、ここに深甚なる敬意を表する次第でございます。

 さて、この場をお借りして、私の名誉会長就任について、謹んでご挨拶申し上げます。

 ただいま伊藤理事長からご紹介いただきましたように、六月五日の理事会及び本日の総会の席上、満場一致で私を名誉会長にお決めいただきました。とても有難くかつ名誉なことと思っており、この上のない喜びでございます。会員の皆様には、ここにあらためて深く感謝を申し上げます。もとより浅学菲才の身でありかつ書道についての知識・経験も乏しく、果たして皆様のご期待に応えることができるかどうか甚だ心許なく存じておりますが、お引き受けしました以上は誠心誠意その職責を全うし、中日書道会のさらなる発展のため微力を尽くす所存でおりますので、皆様のなお一層のご指導とご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 申すまでもなく前任の名誉会長は、内閣総理大臣を務められた海部俊樹先生ですし、さらに海部先生の前の会長は元愛知県知事の桑原幹根先生です。お二人は、人々からの信頼が厚く多くの衆望を集めてこられたとても大きな存在の方でした。政治家として立派であっただけでなく、書についても見事な書作をたくさん残しておられ、まさに中日書道会のトップに相応しい方々と言えましょう。それに引き換え私などは、あらゆる面でその任にあらずと重々自覚しておりますが、にもかかわらず今回名誉会長をお引受けいたしましたのは、私も書が好きで書を愛することにおいては決して人後に落ちるものではないとの気概だけは持っており、長年名誉顧問として関わらせていただいた中日書道会のために少しでもお役に立てることになればこんな幸せはないと、ひそかに考えたからであります。そんな気持ちを引き出していただいたのは、長年ご厚誼いただいてきた諸先生方から、熱心に激励をいただいたことによるのは言うまでもありません。いずれにしましても、今回まことに名誉な立場をお与えいただきましたことに、幾重にも御礼を申し上げます。

 本日、第七一回中日書道展が無事に閉幕しました。コロナ禍に打ち勝ち見事な作品を出品していただいた諸先生方に、深く敬意を表すとともに感謝申し上げます。言うまでもなく作品の制作は書家の原点であり、その作品は書家の魂が込められたものであります。私もすでに二〇年以上にわたって中日書道展を鑑賞させていただいておりますが、同展で書家の皆さんの情熱がほとばしる作品に出会うたびに、書道ファンとして毎回大きな感動と至福の時を味わってきました。どうか会員の先生方には、これからもひたすら書道の道に精進され、当地の書道の発展と書を通じた文化の向上にご尽力賜りますことをお祈りする次第であります。

 最後になりますが、わが国有数の規模と実績を誇り、これまで有力な書家を多数輩出し続けた中日書道会のさらなる発展と、会員皆様の一層のご活躍をお祈りして、私の挨拶といたします。本日は、まことに有難うございました。


(令和四年六月一九日総会における挨拶に加筆して、就任の挨拶文とさせていただきました。神田)


 

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